「すいません」と声をかけようとしたとき、人影はすーっと動いて、森の中に入ってしまった。

6 :毒男 2020/10/18(日) 21:48:32.455 K7fATA5o0.net
俺はべつに霊感とかない人間なんだが、一度だけ恐かった思い出がある。
5年前の夏、たしか7月の話。

当時、俺はいい年をしてサバイバルゲームにはまってた。
知らない方のために解説すると、おもちゃの空気銃を撃ち合う陣取り合戦みたいなもんなのね。
夏場は(昼間は暑いこともあり)もっぱら夜戦が専門で、その週末も、北関東T木県のK怒川の河原に十数人が集合して、夜戦に興じていた。

時計を合わせた覚えがあるから、深夜1時少し前だったと思う。
何回目かのゲームで、俺はフラッグ(相手の陣地のフラッグを取った方が勝ちになる)のディフェンスになり、フラッグの後方で藪に身を潜めて待ち伏せをかけてた。
今回俺のいたチームは優勢で、はるか彼方の敵陣地深くからエアガンの銃声が聞こえてくる。
まわりに全く人の気配はなし。
はっきり言ってヒマなんだが、フィールドを回りこんで奇襲をかけてくる奴もいるから気は抜けない。

河原ということで月明かり以外に照明もなく、あたりはマジで鼻をつままれてもわからないほど真っ暗。
ゆっくりと首を巡らせて(キョロキョロすると頭の動きで居場所がばれるので)あたりを警戒していると、50mほど先の藪から人の上半身が出ているのに気がついた。
白っぽい半袖の服を着た、肩ぐらいまでの髪の女性っぽい人影が俺の方を見てた。

エアガンはおもちゃだけどそれなりに威力があり、まともに顔や眼に当たれば大怪我をすることもある。
だから、ゲーム中に部外者が入ってきた場合にはすぐにゲームをストップすることになってた。
俺はすぐに大声で
「人がいまーす!中止!中止でーす!!」
と叫んだ。
前線のあたりでも
「中止ー」
「中止だってよ」
と叫び声がする。
俺はその人にお詫びを言おうと思い、藪の方へ駆け出した。女の人はじっとこっちを見てた。
「すいません」
と声をかけようとしたとき、人影はすーっと動いて、森の中に入ってしまった。
やべ、恐がらせちゃったよ(なにしろこちらは迷彩服で顔を黒く塗っておまけに銃を持ってる)と思い、その人を追って森のほうへ向かったんだが、ライトをつけて探しても見当たらない。
そのうちに他のメンバーも集まってきた。
事情を話し、みんなで声をかけながら10分以上も探したんだが、どうしても見つからないんだよ。森の中もくまなく捜したのに。

7 :毒男 2020/10/18(日) 21:48:41.424 K7fATA5o0.net
俺は自分が見たものがだんだん恐くなってきてた。
なんで夜中の12時過ぎに女がこんな所を歩いてるんだ。
第一、俺がその人を見た場所にはフィールドを横切って来るしかない。そんなの誰も気づかないわけがない。
だがなんぼ探しても見つからないので、結局、俺の見間違いだということになり、ゲームは再開になった。

俺はまたディフェンス。
今回は左右から進んでくる敵が優勢で、開始から10分後には銃声がかなり近くなっていた。
俺は地面に伏せたまま銃をしっかり構え、いつでも撃てるように照準器ごしに人のいるあたりを睨んでた。
そしたら、なんか視線を感じる。気のせいではすまないくらいに視線を感じる。
首をゆっくり左に振って、眼だけで自分の左横を見る。
真っ暗闇の中、3メートルくらい先の地面に、女の人の首が生えてた。さっきの人だとわかった。
色白の顔に、なんか普通じゃ考えられないぐらい口ががばーっと開いてて凄い笑い顔。
声は聞こえないけど顔をひくひくさせて笑ってた。確かに笑ってた。そんで俺をじっと見てた。
その首が潜望鏡みたいに地面の上をざ、ざ、ざーって動いて俺の正面に回ってゆっくり近づいてきたんだよ。
俺はもうパニック状態だったんだが、なんか伏せたまま体が動かない。
ああいう時って逆に悲鳴とか出ないもんなんだね。
たぶん30秒ぐらい俺はその女と見つめあうというか、にらみ合ってたと思う。
女の顔が俺の顔から50cm位まで近づいてきたところで、俺はやっと体を起こせたが、足に力が入らない。腰が抜けて立てない。
座り込んだままケツであとずさって、今でも馬鹿なことをしたと思うけど、その顔をエアガンで撃った。
そしたら女の顔が凄い恐い顔になって上目遣いに俺を睨んで、すーっと消えた。

その後はゲームどころじゃなく、俺は体調が悪いと言って休憩所のターフでライトとラジオをつけてじっとしてた。
みんな楽しんでるのに水を差しちゃ悪いと思ったから、俺が見たもののことは誰にも言わなかった。

翌朝解散になって、帰り道、車に乗せてくれた友人にだけそのことを話した。
その友人は意外なことに
「…お前も?」
と聞いてきた。
そいつの場合は、エアガンにつけたスコープを覗くたびに、視界いっぱいに女の顔が見えていたらしい。

それからあのフィールドでのゲームにはどうしても参加できなかった。
ああくそ、今思い出してもだめだ。

10 :毒男 2020/10/18(日) 21:59:52.256 K7fATA5o0.net
友達からA(♂)聞いた話なんですが、何年か前の夏に車出して(ワゴンやったと思う)海に遊びに行った時に体験したそうです。

男3人、女3人くらいで海に行こうって話になったんで、地図を見ながら車でお昼過ぎくらいからでかけたそうです。
行き道はこれといって何もなく、普通に車内で騒ぎながら向かう事が出来たらしく、現地に着いたのが、夕方近くなっていたそうです。

で、海に着いたらやっぱりテンションも上がるんで、キャーキャー、ワーワー言いながら海水浴を楽しむ奴もおり、浜辺で寝っころがる奴もいる訳で暗くなるまで遊んでたそうです。
そこの浜辺が海のすぐ近くまで車を乗り入れる事が出来るところで、砂浜と言うよりも、遠浅のちょっとゴツゴツした岩場になってるので浅い場所は、岩が顔を出してるところがちょこちょこある感じです。

暗くなってからは、花火をしたりグダグダ喋ったりで楽しい時間を過ごしていたそうなんですが、さすがに夜がふけてくると肌寒くなってきたので、皆車の中で休みながら喋ろうって事になりました。
(車は海が助手席側になるように止めてありました)

車の中でいつもと変化のない話で盛り上がってたんですが、いつもなら最後まで起きてるAが、その日は凄く眠たくて眠ってしまったそうです。
「久しぶりに海に来て騒いだし、きっと疲れてるんやろう」
って事で周りの連中もそれほど気にもせず、起きてる5人で今日遊んだ事を喋っていたんですが
「あの人誰?」
ってAが寝言を言い出したそうです。
皆一斉にAの方に振り向き、最初はびっくりした顔をしていたんですが(後々、Aから聞いた話によると、その日海で遊んでいた時の映像が夢の中に出て来てたそうで、
Aは夢の中で車を降りたすぐの浜辺に座って一服しながらワイワイ遊んでいるみんなを見ている映像やったらしいです。
それと、現実で車の中で喋ってる仲間の声がシンクロしてる状態やったそうで)一人が悪戯を思い付いたかのように
「え?どこ?どこにおるん?」
と聞き返したそうです。
顎で場所を示すようなしぐさで
A夢「そこ、そこにおるやん」

「何か、知らん女の夢でも見てるんちゃうか〜」
「色々聞き出したれ」
と、仲間内でこっそり話した後
「どんな格好してるん?」
「髪型は?」
「カワイイ?」
色んな質問したそうです。
A夢「白い服着て座ってる」
「ロングや」
「髪に隠れてようわからんけど」
「ずっと、目合ってる」
「何で、海に服着て入ってるんやろう?」

11 :毒男 2020/10/18(日) 22:00:10.601 K7fATA5o0.net
やけに、リアルに寝言で説明するんで周りの連中もちょっとコワクなってきたようで
「どこ?どこにおるん?」
と、しつこく聞き返したそうです。

Aからすると夢の中ですが、女の人が浅瀬に服を着て座っているその周りでは、何もないかの様に仲間連中がワイワイ騒いで遊んでるという映像ですが(指をさしたらヤバイと直感で感じたらしく)さっきと同じように、顎で場所を示すように
A夢「だから、そこ。俺の目の前におるやん」

こんな感じの、噛み合わない会話を後2〜3回繰り替えした後に少しイライラした様です。
痺れを切らしたAが夢の中で
A夢「そこに、おるやん!」
と、指をさした直後、物凄い形相で四つん這いになりながら、その女の人がAの方に向かって来たそうです。
夢の中では、以外と動きが遅くなったり身動きが思うように出来なかったりで、その場から離れる事が出来ませんでした。
それでも、その女の人は凄い形相のままどんどん四つん這いの状態で近付いてきます。

あぁ、このままでは捕まってしまう、と思った時に
「うわぁ〜!!」
と、目が覚め、目が覚めたと同時に、浜辺側のAが座っていたドアが
ガチャガチャ!!ガチャガチャ!!
と勝手に動き、Aが
「入ってくる!入ってくる〜!!」
と必死にドアをおさえていました。
周りの連中はいきなりの出来事で何が起こったのかわからず、女の子達はパニックになって泣き出す始末。
慌てて車を出してその場を離れたそうです。

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